Part 7:「新しい地図の誕生」
目覚めた朝、私は胸の奥に違和感のような、でも確信に近いものを抱えていた。
夢の余韻ははっきりと残っていたのに、まるで現実がそれに追いつこうとしているようだった。
その日、まるで引き寄せられるように、私は古い手帳を開いた。
そこには過去に見た夢や、不意に受け取った言葉、浮かび上がった地名や数字が散りばめられていた。
気づけば、それらの点が少しずつ線で結ばれていた。
誰かが地図を描いている――そんな気配。
だけどその“地図”は、物理的な場所ではなかった。
それは「目覚めた者たちが歩く、意識の経路」だった。
夢の中、老婆が言っていた“統合”。
それは、情報や行動だけではなく、魂そのものの繋がりを意味していたのだと、ようやく理解した。
ダミアン・ストーン――かつて偉大な舞台に立ち、世界を動かした男。
彼の行動の裏に潜む、“見えない契約”と“影の支配者”たちの存在。
その闇の連鎖は、何層にも重なりながらアメリカを絡め取っていた。
けれど、夢の中で彼に語りかけたあの瞬間。
確かに、わずかに彼の目が揺れたのを私は見逃さなかった。
そして、私は知っていた。
彼の心のどこかに、“あの頃の彼”がまだ残っていることを。
この地図は、彼を導くためにも必要だった。
ただ告発するのではない。
ただ戦うのでもない。
“誰もが進むべき新しいルート”を示すこと。
それこそが、夢が私に託した使命なのだと感じた。
私は手帳の片隅に、小さな言葉を綴った。
「目覚めた者たちは、やがて交わる。
その交差点こそが、新しい未来の始点となる。」
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